はじめに
本学では昨年度の全学情報システム(バイオ・物質系 個人常用ワークステーション)として、Windows Vista が導入されました。導入するにあたり、今までに導入されている Windows XP との互換性の問題でかなりの部分で Vista 独自の設定を施す必要がありました。その一番最たるものが、ユーザプロファイルです。Windows Vista のユーザプロファイルについて説明する前に、まず Windows OS で使用されているユーザプロファイルとはどういうものかを簡単に説明します。
ユーザプロファイルとは
ユーザプロファイルとは、ユーザーデータとアプリケーションデータ用に分離されたユーザー固有のフォルダの名前空間のことです。簡単に言えば、各ユーザ毎に用意されたフォルダ(ファイル)の塊のことです。そのフォルダの塊(=ユーザプロファイル)がどこに置かれているかというと、本学のMANDARA-DOMAIN の環境では各ユーザのホームディレクトリ(Zドライブ)の中に格納されます。ユーザがWindowsマシンにログオンすると、そのユーザのホームディレクトリ(Zドライブ)からユーザプロファイルを読み込んで、デスクトップなどのユーザ環境をそのまま反映してWindowsマシンを使うことができます。また、Windowsマシンからログオフするときは、ユーザ環境をそのままホームディレクトリ(Zドライブ)に保存します。この移動ユーザプロファイルのしくみを用いることで、どの個人常用マシンにログオンしても同じ環境で使用できるようになります。ユーザプロファイルの詳細については、こちらを参照してください。
Windows Vista 用のユーザプロファイル
では、Windows Vista におけるユーザプロファイルについての説明に入ります。Windows Vista で使われるユーザプロファイルは、旧バージョンのWindows(XPや2000)のユーザプロファイルから、名前空間(フォルダの階層)が大幅に変更されているため、Windows XP,2000 のユーザプロファイルをVista用にそのまま使用することはできません。逆に、Windows Vista 用のユーザプロファイルを Windows XP,2000 で使用することもできません。これは、一見不親切なようですが、以前Windows NT 4.0 から Windows 2000 への移行時に、同じユーザプロファイルを用いることで、逆にデータの整合性がとれなくなり、ユーザプロファイルが正常に読み込めないなどのトラブルが多く発生しました。そのことを考えると、ユーザプロファイルを以前のものと別のものにする方がメリットが多いのではないかと思います。
では、どうやって XP と Vista のユーザプロファイルを区別するのかというと、Windows Vista の移動ユーザプロファイルでは、プロファイルフォルダの最後に ".V2" が追加されます。この ".V2" を使用して、Windows Vista の移動ユーザプロファイルは、以前のバージョンの Windows で作成された移動ユーザプロファイルと区分されます。本学の WindowsドメインであるMANDARA-DOMAIN では、各ユーザのホームディレクトリ(Zドライブ)上に、profiles.mandara-domain という名前で Windows XP,2000 用のユーザプロファイルが作成されています。Windows Vista 用のユーザプロファイルは、そこに ".V2" を追加した profiles.mandara-domain.V2 という名前で作成されます。もしご自身が MANDARA-DOMAIN で Windows Vista を使用されていたら、一度ホームディレクトリ(Zドライブ)の下を除いてみてください。上記のような、フォルダ名が見つかると思います。(ユーザによっては、profiles.mandara-domain.V2 の最初にドット"." が付いて、隠しファイル扱いになっている場合もあります。)
今回は、簡単な概要説明のみになりましたが、次回は、Windows Vista のユーザプロファイルの中身について触れていきたいと思います。