データ消去装置の紹介(2020ver)
皆さんは研究や業務など様々な目的で、PCやサーバを利用されていることと思います。
今回はそのPCやサーバーの補助記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)のデータ破棄についての記事、第三弾です。
ITC では、HDD/SSD 全域に複数回データを書き込むことでデータの復旧を困難にするデータ消去装置と、物理的ないし磁気的に破壊する破壊装置をサービスしています。前回、データ消去装置の紹介第二弾をお知らせした、2013年の11月から2020年3月までの間に、1255台(!)もの HDD のデータ消去にご利用いただいてきました。
2020年3月にデータ消去装置の更新を行いましたので、今回はその紹介を行います。
事務局におけるデータ消去方法については別途定められておりますので、学術情報課情報企画係にお問い合わせください。
背景
近年、SSD が以前に比べて安価になってきたことから、サーバのみならず市販のPCにおいても、読み書きの速度が早い SSD で OS を動作させ、SSD に比べて容量単価が安価である HDD にデータを蓄積することが主流となってきました。
そのため、サーバやPCの廃棄時に出る使用済みストレージとして、HDD のみならず SSD が増えてきました。
こうしたことから、SSD に対応したデータ消去装置の需要が高まりましたので、ITC ではこの度 SSD に対応した装置を導入いたしました。
CENTURY 社 KD25/35SAS
以前より ITC でサービスしていた消去装置(センチュリー社 これdo台)の更新です。
今回の更新により、以下の通り性能が変更となりました。
旧機種 | 新機種(今回導入) | |
---|---|---|
対応インタフェース | IDE, SATA | IDE, SATA, SAS |
対応ストレージ | HDD | HDD, SSD |
消去速度 | 40GB/1h | 900GB/1h |
今回の更新で、近年の大容量ストレージの消去に対応するようにいたしました。
詳細はこちらのページで紹介しています。
リ・バース社 SSDERAZER
こちらの機器は、最大 4台のストレージ(HDD, SSD)のデータ消去を同時に行うことが可能です。
データ消去(Erase)機能として、QuickErase, FullErase, DoDErase(3回書込/7回書込), SecureErase, EnhancedSecureErase という 5つの Erase 機能を搭載しています。
QuickErase ではファイルの目次部分のみ消去され、データ部分が残っておりますので、それ以外の 4つの Erase 機能でのデータ消去を推奨いたします。
詳細はこちらのページで紹介しています。
最後に
現代において、情報が持つ価値がいかに重要かというのは、もはや説明する必要がないほど周知のものであり常識です。PC やサーバの入れ替えに伴い、当該マシンで重要な情報を取り扱ってきた HDD, SSD を処分する際、適切な方法で処理を行わなければ、情報流出の原因となりかねません。
2019年にある地方自治体から、税務調査内容の通知、自動車税申告書、法人提出書類、県職員の業務記録、名簿等が含まれる行政文書が流出した件は記憶に新しいところです。
ITC が提供するこれらのデータ消去装置を用いることで、情報流出のリスクを抑え、憂いなく研究・学業・業務を行ってください。