筆者は、事務職員を対象に全学情報環境システムの利用支援を行っています。その問い合わせの中で大きな割合を占めるのが、Thunderbird(メール)に関するものです。そこで、以前に曼陀羅ニュースで「Thunderbirdのトラブル回避法」をご紹介させていただきましたが、Thunderbirdのバージョンアップなどの環境の変化に伴い一部手順が変更になっておりますので、改めてトラブルを回避するポイントをご紹介します。
目次
※本稿の動作環境は、事務系個人常用を前提に、Windows Server 2008 R2、Thunderbird38.1.0、受信プロトコルはPOP3となっています。
※サーバ証明書のインストールについては、UPKIサーバ証明書に移行したことにより必要なくなりました。
受信トレイの容量に注意
受信トレイやフォルダ容量が4GBを超えると新規メールを保存できないトラブルが発生します。これを回避するには、フォルダを複数作成し適切にメールを振り分けることが有効です。また、フォルダは受信トレイの下ではなく、受信トレイと同階層に作成しましょう(図1)。
容量の調べ方
Thunderbird 38.0以降では以下の手順でフォルダごとに容量を表示することができます。4GBを超えないように定期的に確認しましょう。
- メニューバーが表示されていない場合は、[Altキー]を押下してメニューバーを表示させます。
[表示]-[レイアウト]-[フォルダペイン列]をクリックします(図2-1)。 - 丸印の部分をクリックすると、追加で表示する列を選択できますので、[サイズ]をクリックします(図2-2)。
- 各メールフォルダの容量が表示されます(図2-3)。
最適化
Thunderbirdではメッセージを削除したり別のフォルダへ移動したりしても復旧できるように削除マークが付けられ表示から隠されるだけで、フォルダ容量が自動的に小さくなりません。
データを完全に消してファイル容量を減らすには、最適化処理が必要です。手動で最適化を実行する場合、フォルダの右クリックメニューから最適化を選択してください(図3)。また、オプションで自動的に最適化を実行することも可能です(図4)。
すぐに強制終了しない
Thunderbirdの動作が重たくなったり、反応がなくなると、やむを得ずThunderbirdを強制終了することがあると思います。
しかし、容量の大きい添付ファイルの受信中であったり、索引ファイルの作成中など、少しずつでも処理が動いている場合、強制終了が原因でファイルが破損するなどのトラブルが起きる可能性があります。
特に、処理中のステータスを表す表示(図5)が出ている場合は、できる限り強制終了は控えてください。
修復を試してみる
メールの一部が消えた、重複して表示される、メッセージ本文が表示されない、といったトラブルが発生した場合は、フォルダの修復機能で解決する場合があります。これは、メールの索引ファイル(拡張子msf)を作り直すものです。
操作方法は、Thunderbirdのフォルダペインにて、修復したいフォルダの右クリックメニューで[プロパティ]を選択し、[フォルダを修復]ボタンを押下します(図6)。完了するまで時間がかかる場合がありますが、途中でThunderbirdを終了しないでください。
最後に
電子メールは欠かせないコミュニケーションツールで利用頻度が高いだけに、トラブルも発生しやすいかと思います。本稿に記載した内容が少しでもトラブル対応のお役にたてば幸いです。